飲食店が経費にできるもの・できないもの一覧

飲食店の経費一覧

仕入も、まかないも、内装工事も。◯△✕で答えます。

飲食店の経営でよく出てくる支出を、◯(経費になる)/△(条件つき)/✕(ならない)の3段階でまとめました。ネットの記事が「グレーです」で終わらせるところまで、結論を書いています。

最終的な判断は、お店の実態と使い方によります。ご契約中の方は、迷ったらレシートをそのまま送ってください。判断はこちらの仕事です。

仕入・材料

◯

食材・調味料の仕入

仕入高に。市場・業務スーパー・ネット仕入のレシートもまとめてどうぞ。

◯

酒類・ドリンクの仕入

仕入高に。酒販店からの月締め請求書もそのままで大丈夫です。

◯

割り箸・紙ナプキン・おしぼり

消耗品費に。まとめ買いも問題ありません。

◯

テイクアウト容器・レジ袋・保冷剤

消耗品費に。デリバリー用の梱包材も同じ扱いです。

◯

食器・グラス・カトラリー

1点10万円未満なら消耗品費。割れた分の買い替えも経費です。

◯

洗剤・ゴム手袋・アルコール・掃除用品

衛生用品として消耗品費に。

店舗・設備

◯

店舗の家賃・共益費

地代家賃に。

◯

水道光熱費

飲食店では比率が高い科目。契約名義が個人でも、店舗で使った分は経費です。

◯

厨房機器・冷蔵庫・製氷機・食洗機

10万円以上は減価償却。青色申告なら一括で落とせる特例が使えます。上限は2026年4月以降の取得分は40万円未満、3月までの取得分は30万円未満(年間合計300万円まで)。

◯

内装工事・造作・看板

建物附属設備・構築物として、数年に分けて償却します。何年で落とすかで税額が変わるところです。

◯

テーブル・椅子・カウンター

10万円未満なら消耗品費、それ以上は減価償却。

◯

火災保険・賠償責任保険

損害保険料に。

◯

修繕費(機器の修理・エアコン清掃・ダクト清掃)

修繕費に。原状回復の範囲なら一度に経費にできます。

◯

POSレジ・キャッシュレス端末の利用料

通信費・支払手数料に。

△

敷金・保証金

返ってくる部分は資産で、経費になりません。返らない礼金・更新料は経費または繰延資産に。

△

自宅兼店舗の家賃・光熱費

仕事で使う分だけ按分。面積で分けるのが基本です。根拠づくりまでこちらで。

人のこと(従業員・自分)

◯

アルバイト・パートの給与

給料賃金に。源泉徴収と納付の手続きもセットで整えます。

◯

従業員の制服・エプロン・厨房シューズ

消耗品費・福利厚生費に。

◯

従業員の健康診断・検便費用

福利厚生費に。飲食店では定期的に必要になる検査です。

◯

求人広告費

広告宣伝費に。求人サイト・貼り紙・紹介料も同じ扱いです。

◯

家族への給与(青色事業専従者給与)

事前の届出が必要です。届出から一緒にやりましょう。

△

まかない

従業員が食事代の半分以上を負担し、お店の負担が月7,500円(税抜)以下なら課税されません。この上限は2026年4月に3,500円から引き上げられました。超えると給与扱いになります。

✕

事業主本人の給与

個人事業では自分への給料は経費になりません。残った利益がそのまま所得になります。

✕

事業主本人の国民健康保険・国民年金

経費ではありません。確定申告の社会保険料控除で引きます(結果として税金は減ります)。

集客・販売

◯

食べログ・ぐるなび・ホットペッパーの掲載料

広告宣伝費に。

◯

Instagram・Google広告

広告宣伝費に。

◯

Uber Eats・出前館・menuの手数料

支払手数料に。売上は手数料を引く前の金額で計上するのが正しい処理です。

◯

クレジットカード・QR決済の手数料

支払手数料に。入金が手数料引き後でも、売上は満額で計上します。

◯

メニュー表・チラシ・ショップカード・のぼり

広告宣伝費に。

◯

予約システム・POSのサブスク利用料

通信費・支払手数料に。

お金・手続き

◯

借入金の利息

利子割引料に。公庫・銀行の返済予定表を送っていただければ、利息分を抜き出します。

✕

借入金の元本返済

経費になるのは利息だけです。元本はお金の移動として処理します。

◯

開業前にかかった費用(開業費)

開業費として資産に計上し、好きなタイミングで償却できます。開業前のレシートも取っておいてください。

◯

食品衛生責任者・防火管理者の講習費

研修費に。調理師免許の更新関連も同じ扱いです。

◯

営業許可・深夜酒類提供の届出の手数料

支払手数料・雑費に。行政書士に頼んだ費用も経費です。

◯

商工会議所・組合の会費

諸会費に。

◯

会計ソフト・税理士報酬

支払手数料・支払報酬に。

✕

所得税・住民税

経費になりません。個人事業税・店舗分の固定資産税・印紙税は租税公課として◯です。

移動・そのほか

◯

仕入れの買い出しにかかるガソリン代・駐車場代

旅費交通費・車両費に。

△

車の減価償却・保険・車検

仕事で使う分だけ按分。キッチンカーや配達専用車は全額が原則です。

◯

取引先・業者との打ち合わせに伴う飲食代

接待交際費に。相手と目的をメモしておくと安心です。

◯

業界誌・レシピ本・料理雑誌

新聞図書費に。

◯

店内BGMの利用料(JASRAC・USENなど)

諸会費・雑費に。

△

スマホ代・自宅のインターネット

仕事で使う割合に応じて按分します。

迷いやすいもの

△

他店での食事代

味やメニューの研究という実態があれば、研修費・調査費として認められる余地があります。何を見に行ったかのメモが決め手です。

△

自分や家族が食べた店の食材(家事消費)

経費から抜くだけでなく、売上として計上が必要になる場合があります。金額の決め方はご相談ください。

✕

生活費として引き出したお金

事業主貸として処理します。経費にはなりません。

✕

家族との外食・私的な飲み会

仕事の実態がないものは経費になりません。

✕

ふだんの服・美容院

プライベートと分けられないものは経費になりません。従業員・自分の制服は◯です。

最後に、棚卸のこと

飲食店でいちばん抜けやすいのが、年末の食材在庫(棚卸)です。12月31日に残っている食材や酒は、その年の経費から外して翌年に繰り越します。

ここを忘れると利益が実際より少なく出て、あとで指摘を受けたときに修正が大きくなります。逆に、赤字だと思っていたのに棚卸を入れたら黒字だった、というケースもあります。

やっていただくこと:12月31日の時点で、冷蔵庫・冷凍庫・倉庫にある食材と酒の品目と金額をざっくりメモして送ってください。どこまで数えればいいかの目安は、こちらからお伝えします。
大事なこと:「お店の営業のために使ったか」が判断の軸です。レシートを捨てないこと、それだけ守ってもらえれば、あとの整理と判断はこちらでやります。
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